家の中で「ここに壁があったら便利なのに…」と思ったことはありませんか?部屋の間仕切りや空間の有効活用、プライバシーの確保など、壁を新たに作ることで暮らしの質は格段に向上します。
今回は、プロの現場でも使われているランナーとスタッドを使用した壁づくりの基本工程について、実体験をもとに詳しくご紹介します。断熱材や石膏ボード、最後のクロス仕上げまで一連の流れを理解することで、あなたもDIYで壁づくりにチャレンジできるかもしれません。
◆ 1. ランナーとスタッドって何?
壁づくりに欠かせないのが、**軽量鉄骨材である「ランナー」と「スタッド」**です。
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ランナー(Runner)…床と天井に設置する横材。スタッドを固定するレールの役割。
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スタッド(Stud)…壁の縦方向の柱。これが壁の骨格になります。
木材よりも加工が簡単で、火災にも強く、近年のリフォームではよく使われます。
◆ 2. 壁の下地をつくる工程
◇ ステップ1:墨出し(すみだし)
まずは、壁を作る場所に正確なライン(墨)を引く作業からスタート。
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水平器やレーザーを使って、床・天井・壁にまっすぐな線を引きます。
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墨出しがズレると、壁全体が歪んでしまうので慎重に!
◇ ステップ2:ランナーの設置
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墨出ししたラインに沿って、床と天井にランナーを固定します。
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コンクリートならアンカー、木下地ならビスでしっかり固定。
◇ ステップ3:スタッドの取り付け
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ランナーに縦方向にスタッドを差し込んでいきます。
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一般的には303mm間隔で等間隔に配置し、タッピングビスで固定。
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電気配線やスイッチ用の穴あけもこのタイミングで行います。
ここまでで、骨組みの下地が完成です!
◆ 3. 断熱材で快適性アップ
新たに設けた壁には、断熱材を入れることで室内の快適性がぐっと向上します。
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使用するのはグラスウールやロックウールが一般的。
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スタッドの間にしっかりと詰めて、音の反響や冷暖房効率を改善。
防音対策としても非常に効果的なので、子供部屋やテレワークスペースにぴったりです。
◆ 4. 石膏ボードで面をつくる
壁の骨組みと断熱材が完了したら、次は石膏ボードを張っていく作業です。
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一般的には9.5mm〜12.5mmの石膏ボードを使用。
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スタッドの上に重ね、ビスでしっかり固定していきます。
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隙間ができたらメッシュテープ+パテ処理で補修。
ボードを2枚重ね張りにすると、さらに強度と遮音性がアップします。
◆ 5. 最後の仕上げ:クロス張り
ボード面ができたら、いよいよ仕上げの壁紙(クロス)張りです。
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パテ処理で凹凸を整え、全面をやすりで平滑にします。
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クロス糊を塗って、上から丁寧に貼り付け。
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ジョイント部分が目立たないように張るのがコツです。
選ぶクロスによって空間の雰囲気は一変します。明るく開放感のある柄にするもよし、防汚・防臭機能付きのクロスで実用性を高めるもよし。デザインも自由自在です!
◆ ビフォーアフターで実感!
私の現場では、物置になっていた空間をプライベートワークスペースに変えるために壁を増設しました。施工前はただの広い一室でしたが、壁を設けることで集中できる空間が誕生。
壁ひとつで、空間の価値が変わる。
それがこの作業の醍醐味だと改めて感じました。
◆ まとめ:壁をつくるという選択肢
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ランナーとスタッドでしっかりと骨組みを
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断熱材と石膏ボードで性能もバッチリ
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クロス張りでデザイン性もアップ
壁を新たに作ることで、快適・静音・デザイン性すべてが手に入るのです。DIYが好きな方も、業者に依頼する方も、この流れを知っておけば安心です。